2016年2月11日木曜日

「質問する」能力

組織のなかで働いていると特に、また、そうでなくとも、「質問する」機会はほぼ必ずあるでしょう。

先日ふと「質問する」ってすごい能力だよな、と思いました。
まず、「わからない」ポイントを質問できるまで言語化し、さらに相手に分かる言語まで地球語にしないといけません。頭の中の映像をそのまんま送れたらラクですね。それはそれで嫌ですが。

けれど、「質問する」だけなら、結構できるのです。
ただ、「一緒に働く人をいらっとさせずに(少なくとも表面上)」質問をするのは、こと発達に偏りのある人にとっては難しいかもしれません。

「聞いてほしいことは自分でやっちゃってトラブル起こすのに、どうでもいいことばかり聞いてくるんだけど!」というのは、質問する方も「困っている人」かもしれませんが、される方も正直なところたまったものではないと思います。

私は自閉症スペクトラム障害をオープンにして働いていますが、そうはいっても正直なところそれは「企業」という大きな法人格に影響する、またある程度偉い人はわかっている、といった程度で、現場で働く人は、基本的に仕事に追われていますし、できるだけラクに気持ちよく働いて帰りたいのです。
以前働いていたところで、いわゆる「できない子」のフォローをさせられていたふしがありますが、本当に「無理!」です。
※こんなこと書いてますが現在職場については、私に見えないところで、見える部分で、気遣って対応してくださっており、私は今とても適応が良い状態です。



そういうわけで、私が質問をするときに考えていることを図式化してみました。あざとい感じがして嫌ですが、実は定型発達の人は「これを明らかにしない」だけで無意識的にこういうようなことを考えていると思いますので、あまり嫌悪する必要もないかなと思います。

私は基本は「お金がからむかどうか」で考えています。業務内容は当然自分の給与はじめ、会社の利益にかかわりますからお金に関わります。
ただ、「備品の使い方」とか「お茶の入れ方」みたいなものは、お金は減るといえば減るけれど、何百円のものだったり、モノは減るけれど「実際のところ」、消耗品絡みだったりしますから、「最悪弁償可能」だと考えます。
ただ、そういう細々としたところにこそ「暗黙の了解」や「常識」といった苦手分野があることも多いです。こういうのは、私の場合は障害オープンなので、障害を知っている上司や、ジョブコーチを頼ります。時間的猶予がある場合、面談日までメモして待つこともあります。

ただし、「備品系」だとしても、「取引先の社長に出すお茶」とかだとちょっと話が別です。これは、「他部署(しかも、大いに遠い、そして利害関係のデカい)がからむ」にあたります。
他部署が絡むと一気にやり取りに動く人数や手間が増えて複雑になりますから、「他部署に出る前に」確認したり、質問します。私の会社では他部署絡みは基本的に1人ではGoを出せないので、結構安心です。

次に「時間的逼迫」です。この度合いが高い場合は、ちょっとしたことでもサッと聞いてしまいます。じわじわ先に伸ばして、貯めこんで貯めこんで「ダメでした」よりよほどマシだからです。一方余裕がある場合は、ここまでの「お金」「他部署」をNOでクリアしているので、余裕をもって様子見しながら質問のタイミングや方法を伺えますし、伺ったほうがよいです。ここで、他の結構大事な自分の仕事を抱えている人にポーンと下手に質問をすると、「チマチマチマチマどうでもいい質問しやがって」ということになりやすいです。
そこで、図の「それとなく」作戦が決行になります。
「それとなく」内には書き忘れましたが、「ふせんやメモで質問をおいておく」のも良い方法だと思います。私の場合自分自身が視覚優位ということもありますし、短時間勤務もあってよく使います。質問内容を紙にかくことで混乱せずに相手に伝えられます。口頭で質問する場合も、大体の内容をちょこっとメモ書きしてから聞きに行ったりします。

またふせんとともに進捗を伝えるメモを残すこともよくやります。進捗を一日ごとぐらいに各仕事を一緒にやっている人やよく内容を知っている人に伝えておくと、自分のペースを把握してもらえたり、「伝えよう」という意志を見せる意味があります。何にも音沙汰無しだと、一緒に仕事をする人は大丈夫なのか大丈夫じゃないのか不安になります。1〜2日ごとくらいに進捗と終わり見込み(わからなければわからない、でも良い)を伝えておくと、スムーズです。

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ざっと書き出してみましたが、決行たくさんのことを考える必要があり、「これは発達に偏りがあったり、知的に低いと、大変」と思いました。だから、おそらく支援の場においては「何でも質問しましょう」と教えるのだと思います。
ただ、それを本当にそのまま鵜呑みにするタイプの人、そしてその中でも「知的にある程度高い〜平均」の人については、上記のさわりくらいは教えておいたほうが、職場の適応はよいだろうな、と思います。

2016年2月9日火曜日

交渉成立!

職場で面談がありました。

以前にも何度か面談は有りましたが、今回は初めて具体的な要望を出しました。

私は個人情報や外に出せないものを印刷することがあります。
その場合、破棄するものは専用のBOXに入れます。

これは、私ではなく、別の人に入れてもらう必要があるのだそうです。

しかし、私はミスプリントが多く、またPC上ではミスを見つけるのが難しいみたいです。
単純に必要でプリントし、その後破棄するものもあります。
そして、「普通にしてていいか微妙なもの」について、判断に責任をもてません。
だからといってそういうものをいちいち聞いていたら、お互い本当にうっとうしいでしょう。

それで、どうすればよいか相談しました。

そして、
「私用の箱を設け、そこに破棄するものを入れておき、後で別の人が破棄する」
ことになりました。

すぐに対応できるもので、特に困難な手続きがあるわけではなかったからでしょうが、すんなり通って安心しました。

これに加えて、「QuietOn」を取り寄せたことも説明しておきました。
具体的に「今現状つらい」「聞こえない」わけではないので、ちょっとわかってもらいにくそうです。
「無意識の易疲労」について、次回(モノが手に入ったら)きちんと説明して、許可をもらえるものであれば、もらおうと思います。

「具体的に」「どこまで」「どう」してほしいかがわかると、企業側はやりやすいのでしょう。私はそういう要望をすることがあまり得意ではないです。けれども、具体的でないものがしんどいのは、むしろ自分がいちばんよくわかっています。
「道具を使うのか」「人の配慮を求めるのか」「自分の中だけで解決するのか」「カウンセリングに回すのか」考えます。私は注目されるのは苦手なので、できるだけ「道具」「自分」での解決ができる方法を採用しています。

今回、もう1つ要望しようか迷っていた「「てにをは」を言ってくれない早口の人は何が言いたいの時間がかかる・心理的負担」なことは、上記の判断により、とりやめました。「人に配慮をもとめて」までするメリットよりも、それを公にすることによる自分へのデメリットのほうが大きいと予測したためです。そして「配慮」の形が「心」とか「マニュアル」とかいう、ぐにゃっとした曖昧なものであり、またともすると「マナー指導」のような上からの指導=反発を招きやすいからです。そして、今回これについて気になったのは、「全体にみんながそう」ではなく「その人の性格」によるものであるため、余計に「自分を否定された」という誤解を招きかねないからです。

その部分がまさに障害されているから、難しいわけですが、ある程度分類・パターン分けし、支援者の力(これは、いろいろな支援やアドバイスを仰ぐだけではなく、「存在」そのものが力として働きます)にも頼りつつ、うまく「交渉」したいものです。

2016年2月7日日曜日

カウンセリング21B 心理士さんからの議題

カウンセリング続きです。

今回より時間が長くなり、今までよりしっかりと話しをすることができるようになりました。

心理士さんよりは、「他者とのチューニング」について。
これは、私から出た困り感と合っている部分で、かつ心理士さんが「私に必要だ」と考えているところです。

前の記事(カウンセリング21A)では述べていませんが、「チューニング不全」も私の困り感として一応あります。

ただ、私の考える「チューニングがうまくいく」と心理士さんの考える「チューニングがうまくいく」およびその目的はちょっと違うようです。

【私のチューニング不全感】
私にとっておもしろいことは、他の人が気にもしないところ。
他の人にとっておもしろいことは、私が気にもしないところ。
私が発言すると、シーンとなる。ぎょっとされる。
もしくは、私は発言できない。興味が薄くて選択したり感想を述べたりしにくい。

そういうふうなことがあります。
そして、私の場合、「言語性及び総IQの高さゆえ」「受動型部分」のために「相手に合わせる」モードができます。
けれど、すごく疲れて、不全感が残ります。
うわーーーっ!!っと走りだしたり叫びだしたりしたいような気持ちの悪さを感じることもよくあります。

【心理さんのみる私のチューニング不全と目的】
今のところ「医師」「心理士」「ジョブコーチ」と、かなり幸運な人間に恵まれているが、その人達に対してうまく困り感を表現し、治療や支援をしてもらえるようにできるとよい(今はできていないということか)。また、このタッグのどこかが欠けても大丈夫なように、本人があとすこし、家族や友人にもそういった表現を行えるようにつながりを作って支援のタッグを補強しておきたい。

というズレがあるようです。
そのために、私は「チューニング不全はまあ諦めよう。インターネットもあるし、今のところ楽しいし。ある程度調整しながら楽しんでいる。心理士さんはやけにこだわるなぁ」という認識だったようです。
ところが、帰宅してこのように文字化すると、なるほど心理士さんのいう「チューニング不全をなんとかしたほうがよい」ことがよくわかりました。

自立し、そして複数の選択肢を持っておく、細く長い支援のつながりを切らないことは、とても大切です。

心理士さんによると、どうも私の住んでいる地域はせっかちな傾向の人が多く、発達さんには住みにくいらしいですし。笑
「滋賀は住みやすいと思う」だそうです。

ごりごりと確信に迫れ、「困った」に追及し始められた回でした。
終わったときは私は「?」状態でしたが、やはり文字、図にするとわかりやすいです。きちんと脳みそに書き込み完了したような感じです。

カウンセリング21A 私からの議題

カウンセリングでした。

まずはこの週に書いたブログ記事と、「ADHDっぽい自分の行動」の紙を見せてから、しばらくそれについて。

・犬…とても良いね
・ジョブコーチがやはり優秀。医師も発達障害のことをわりとわかっているし、心理士もわかっているし、幸運。
・感情語の記事については特に無し。
・ADHDについては、少し知識を入れましょう。

ということになりました。
先日、私と考え方などが似ている人がADHDと診断がおり、投薬開始したところ、すこぶる調子が良さそうで、それはもちろん「今までがしんどすぎた」わけですが、ちょっと「いいなぁ、薬があるって」と思ったのです。またその効能の中で

・そわそわせずに寝られる
・タスクに追い立てられるような感覚が薄れ、落ち着いて仕事ができる
・頭が忙しくない
・易刺激性がやわらぐ

→易疲労がやわらぐ

という部分について「すごくうらやましい」と思いました。

そして、これをうらやましいとひどく思うということは、そういう症状があるわけで。
全くないと思っていたけれど、ADHDなのだろうか?とちょっと頭をかすめました。
確かにとりあたま(一歩動いたら一瞬前に聞いた言葉がもう記憶に無い)だし、ふとアツアツのやかんや油に手を突っ込んだりしています。でもそれは健常の範囲だろうな〜と思います。
ただ、楽になるんだったらそれっていいじゃん、と思いました。

そうして得た知識が以下です。

発達障害のLD、ADHD、ASDは、この順に「障害が広汎に」なっていくと考えられています。障害の重なりではなく、「脳のエラーの範囲」としてです。

そのなかで、ADHDというのは「出力≒行動のエラー」、「行動障害」です。


話を聞いて、どうも図に示したような感じなのだな、と思いました。
これに、各人のそれぞれの「脳のキャパシティ」と「体のキャパシティ」の要素が絡むイメージです。
※これはシロウトがちょこっとじぶんの見方である人に聞きかじった知識を都合よく解釈した図です!正しくありません!

そういうわけで、ASDとADHDでは、「症状が同じように見えても、原因が違う」わけです。
但し、「感覚過敏と易刺激性」「出力異常の原因」に関しては、鑑別が非常に難しいそうです。けれども、感覚的に「全く別軸のものだ」というのは感じます。またそういう考え方が現在の医療界ではメジャーだそうです。少し前及び当事者間ではASDとADHDの合併が非常に多いと言われますが、現代の医療においては「合併は珍しい」と考えられているところもあるそうです。軸は別だが鑑別が難しいゆえにこういうことが起こるのでしょう。
しかし基本的には「ASDは入力エラー」「ADHDは出力エラー」で、そこからはみ出る症状については、その困り感・治療方針においてどう診断するか変わってくるようです。
また、医師の方針によってもやはりずれるようです。(一時期はADHDの診断をホイホイ出す傾向もあったとか)

私の場合、「全体的に見て、私の症状については、ASDと切り分けると理解がしやすい」ためにASDとの診断がついているそうです。

ということで、私は納得しました。
感覚的に、ADHDとは私の症状は違っていると感じていたのが、補強されました。

ただ、「じっとしているのがしんどい」「タスクに追い立てられる感覚」のしんどさ、及び、感覚過敏、それから、脳のキャパシティと体のキャパシティとの差による易疲労には、もしかしたら、、という気がしてしまい、おそらく私にとってはASDの中核部分(?)よりも、こういったADHDとの鑑別が難しい部分の症状がしんどいために、「ADHDの投薬治療がうらやましい」と感じたのでしょう。
コミュニケーション能力云々のオキシトシンより、身体的エラーの治療をもっとやってほしいなー。

2016年2月6日土曜日

アニマルセラピーな家族

先週から子犬が我が家にやって来ました。

突然です。
単に犬やねこを見て癒やされようとして入ったペットショップで、異常に私になついてくる白い子がいました。


その子を母が気に入り、急に「飼おう」と言い出しました。
私の家では昔から犬を飼っており、家族みんな犬が大好き。
ここ数年は動物が居ませんでしたが「一緒に暮らしたいね」とことあるごとに言っていました。

私はここ最近はねこが欲しかったのですが、ねこは私以外の家族が「嫌だ」と断固拒否します。

そして、「犬がほしい」のではなく「この子がいい」となってしまいましたので、迎え入れることになりました。

主に世話は私がします。大変です。運動量が増え、21時には眠くなり、ものすごくよく眠れるようになりました。素晴らしい。もちろん大変なのですが。大変です!!!本当に大変です。でも愛おしい。

明らかに犬が来てから家族の精神状態、家族間の精神状態が良くなり、本当に動物と相性のよい家族だなあと思います。

2016年2月5日金曜日

支援者とつながっておくこと

先日の混乱時に、より混乱しやすかった原因のひとつとして「職場・ジョブコーチとのやりとりがうまくできていないこと」を挙げました。

職場では問題なく仕事をこなしています。
職場の人も「大丈夫、普通にできている」と評価してくださっています。

それは良いことなのですが、なんとなくそのやりとりで「はい、わたしも大丈夫です!」と言い切るには不全感がありました。

でも、実際のところそれ以外の言葉が出てこないので、そう言うしかなく…という状態が少し続いていました。

このままではいけないなあと思い、面談終了後、職場の人抜きで話をしました。


「大丈夫」と言われると、ほっとする反面緊張すること。
職場の人は問題ない、と繰り返し繰り返し言うため、「ジョブコーチ訪問の頻度が多すぎる。うっとうしい」と思われているように感じること(多分その人の発声の癖だと思いますが…)。
「普通に」が口癖の人が居てすこしつらいこと。でもそこまで配慮してもらうのはおこがましいし、むしろ悪い結果をもたらす可能性が高いこともわかっていて、何もしないでほしいこと。でも、そう思っていることはジョブコーチには知ってほしいこと。
職場で少し冷たく当たられている人が居てつらいこと。でも、それはその人と、その周りの問題で、わたしがどうこう思うこと自体が境界線を超える行為だとわかってもいること。だからなにもしないでほしいけど、知っておいてだけほしいこと。

以上から、基本的に問題ないが、それでも、たとえ必要ないと思われようと、細く長く支援者とのつながりを保っておくことがわたしにとっては良いと思っていること。つながりを絶ってしまって、そのあと急に爆発するような事態が起こりうるということ。


こんなことを話し、カウンセリングノートの思考を読んでもらいました。

ジョブコーチさんは「あなたは、自分でこうやって分析して解決していて凄いと思う。私はそれを読んでいるだけで最中にうまく関われないことを申し訳なく思う。また、職場の人が「大丈夫」としきりに言うのは、もりさんが就職する前まで「どんな人が来るのか」不安だった反動ではないかと思う。ほかの人のことはその通り、何もしないのが得策だろうね。支援の利用は必要ないとは思わない。たとえ大丈夫でも「大丈夫です」と言うだけの面談でも、それをすることは大事。」

と言ってくださいました。

できることなら性質上支援というかたちであっても消耗のある他者との複雑な関わりは少ないほうがよいし、自分で問題を解決できるのであればそれに越したことはありません。そういう状態を目指しています(どこを目指すかは人によります。支援を受けること事態も能力の1つです)。

けれども、「普通」に見える裏にはかなりの疲労と工夫があること。
かといって、それを大仰に配慮されたいとも思わないこと。
そういう相反するモヤモヤがあります。

それを、細く長く「見守る」支援をしてもらうのは、難しいなあと思います。
「できる人」には支援は必要ないですから。

けれど、私はガーッとうまく行って突然ダメになる、ようなことはもう繰り返したくないので、そういう体制を少しづつ交渉しながら作って行きたいと思います。

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【グッズ近況】

「Style」をついに購入して家で使っています。
気持ちいい。

持ち運びのしやすい「Backjoy」は職場で使うことにしました。

「Style」、父も購入を検討し始めました。

また、ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンがクラウドファンディングサービスで提案されていたので、試しに注文してみました。
まだ来ていませんが、これなら職場でも目立たなそうなので、今からじわじわ「買った」「できれば使いたい」「使うか使わないかは分からないが、許可があると非常にラク」「負担が減る分長く働けるかも」…と情報を流していこうと思います。(伝家の宝刀「障害者差別禁止法による合理的配慮」については、「うざい」と思われる可能性が高いので、現状なしで働けていることを鑑み、この件には使用しないつもりです。今後はわかりませんが…。必要が薄いのに使うのはただのモンスターですね。)